羅盤舎が研究中の妖怪・霊符・長崎ゆかりの技術についてのまとめ資料を展示しております。
尚、研究途中の為、至らない点がございますが、ご了承願います。
ぬらりひょんは如何にして総大将となりしか
「ぬらりひょん」といえば、忙しい時に家に上がりこんで茶を啜る、捉えどころの無い妖怪の代名詞です。
現代では、関東妖怪任侠総元締・奴良組の初代総大将として幅を利かせている「ぬらりひょん」ですが、江戸時代の絵巻『化物づくし』や鳥山石燕の『画図百鬼夜行 前篇-風』では、全く解説がありません。
ここでは、「ぬらりひょん」が「妖怪の総大将」と呼ばれるようになった時期を辿る為、文献資料などにおける「ぬらりひょん」の扱いを表にしてみました。
尚、この表は、まとめている途中なので、ご意見・ご感想はコチラにお寄せ下さい。
2013.06.29追記-- 映画・アニメの情報を追加しました。 --
電子符籙(でんしふろく)
電子符籙-Catalogue of Digital Amulets- とは、現在製作中の私家版符籙(ふろく 霊符を蒐めたもの)です。(※閲覧にはパスワードが必要です。ご覧になりたい方はコチラ までご連絡願います)
用途や配色・使用方法・参考文献などのタグから、簡単に霊符を検索・ダウンロードする事ができます。
広報活動は、オリジナルキャラクター「1010ちゃん」が務めております。
2012/06/10現在、【財運(26種)】・【開運(20種)】、都合46種の霊符を公開しております。
【財運(26種)】
金銀求得之御秘符(きんぎんきゅうとくのごひふ)
金銀に象徴される財を求めれば求めるだけ得られる霊符。大金持ちへの道を開きます。白い紙に朱で書きます。
金銀財宝充溢之御秘符(きんぎんざいほうじゅういつのごひふ)
お金からブランド品まで思いのまま。加えて心の安穏まで用意してくれます。
田畑山林家屋敷地求繁盛御秘符(たはたさんりんやしきちをもとめはんじょうなるごひふ)
田畑山林屋敷地が思いのほかに増え、財を生みます。
招財獲福秘密御秘符(しょうざいかくふくひみつごひふ)
ほしい金額を明記すれば、たちどころに望みどおりの金額のお金を手にできます。黄色い紙に朱で書きます。
財宝充溢五穀豊穣御真符(ざいほうじゅういつごこくほうじょうごしんふ)
すべてを満たしてくれる霊符。白紙に朱書、符の空所に姓名、年齢、願望を書いて所持。
財宝珍具求得之御秘符(ざいほうちんぐきゅうとくのごひふ)
財はもちろん高価なものでも求めれば必ず手に入る霊符。所持または家内に貼って使用。白紙に朱書。
財宝盈溢富貴安泰御真符(ざいほうえいいつふうきあんたいごしんふ)
財に恵まれ富も地位も安泰になります。符の空所に姓名、年齢、願望を書いて所持します。白い紙に朱で書きます。
招金銀入宅符(しょうきんぎんにゅうたくふ)
お金がみる間に入ってきて家を富裕にしてくれる霊符。神棚などに祀って使います。
招金銀自入大富貴符(しょうきんぎんじにゅうだいふうきふ)
それほどの努力もなしに自然に財が入ってきて、家がどんどん豊かになっていく霊符です。白紙に朱書。
招金銀入宅富貴不逢殃禍符(しょうきんぎんにゅうたくふうきふおうおうかふ)
家に潤沢な富を招き入れて豊かになり、また一生災いに遭うことがないとされます。白い紙に朱で書きます。
五穀求得随意御秘符(ごこくもとめえるにずいいなるごひふ)
五穀の実りばかりか、天地神の財が意のままになります。
富貴平安符(ふうきへいあんふ)
神仙の加護によって富がもたらされ、心が安らかになります。
賭事必勝之御秘符(かけごとひっしょうのごひふ)
ギャンブルに勝ちたいときに用います。宝くじを買うときにもいいでしょう。
財物不耗符(ざいぶつふもうふ)
財産の減少を防ぐ霊符。特に投資などの損を防ぎ、利を得ることができるとされます。
富貴愛敬繁盛符(ふうきあいぎょうはんじょうふ)
富や地位を招いて人々に親しまれ、すべからく繁盛をもたらしてくれます。白い紙に朱で書きます。
得珍宝符(とくちんぽうふ)
珍しい財物を授けてくれます。呑むのが本来ですが、所持してもかまいません。白い紙に朱で書きます。
珍具財宝求無障御秘符(ちんぐざいほうもとむるにさわりなきごひふ)
あなたが求めるブランドものや宝飾品が、難なく手に入ります。
貧賎富貴符(ひんせんふうきふ)
どん底状態から成り上がるための霊符。柳の木札に書いて用いるといっそうの験があるとされます。
富足符(ふそくふ)
大金ではなくても生活に困らない程度にお金を招き入れる霊符。玄関などに貼って使います。
西岳太祖素元真君御神符(せいがくたいそそげんしんくんごしんふ)
お金だけではなく、あらゆる財宝が家に満ち、土地からの収益増大も期待できます。白紙に朱書。
北岳太祖無極真君御神符(ほくがくたいそむきょくしんくんごしんふ)
財にかかわる邪気を祓い、幸いをもたらし、財を保全。しかも財の永遠を保証。黒紙に朱書。
西方素帝御白符(さいほうそていごはくふ)
蔵に財が満ち、家の栄光がきわまります。しかも、財は子孫に受け継がれ、さらに繁栄します。
珠玉求無障御秘符(しゅぎょくもとむるにさわりなきごひふ)
身を飾る海の珠(たま)、山の玉。どちらも意のままになるでしょう。
衣服家具求得之御秘符(いふくかぐをもとめえるのごひふ)
いい家具や衣服がお手頃価格で手に入ります。白い紙に朱書。
衣服家具求無障御秘符(いふくかぐもとむるにさわりなきごひふ)
値の張る家具や衣服が手の届く値段で入手できます。
財物興旺符(ざいぶつきょうおうふ)
財産や家具などが乏しいときに用います。
【開運(20種)】
大円満霊符(だいえんまんれいふ)
あらゆる物事を円満にならしめる万能符。この霊符を所持すれば、多くの善神に守護され、種々の願望が成就する。白い紙に朱書。
五岳真形図(ごがくしんぎょうず)
霊符の中でもとりわけ霊験が顕著で代表的なもの。あらゆる心配事に用います。謹書の際は、中央の五つの図のみ白い紙に朱書。
天図経之御秘(てんずきょうのごひふ)
明の洪武帝時代に創られた霊符。凶事が吉事に変じる。五枚一組。順に家内の南・西・中央・東・北に貼る。白い紙に朱書。
一切願望并訴訟障無御秘符(いっさいがんもうならびにそしょうさわりなきごひふ)
いっさいの願望が成就するのはもちろん、面倒な訴訟事にも勝利をもたらします。
永希不成速成之御秘符(ながくならざることすみやかになるのごひふ)
永年の夢、あるいは何度挑戦しても実現できなかった宿願が実現します。白い紙に朱書。
中黄符(ちゅうこうふ)
大きな望みを叶えてくれる霊符。符の空所に姓名・年齢・願望を朱書して所持します。
諸望成就之御秘符(しょもうじょうじゅのごひふ)
どのような願望でも叶えてくれる。見果てぬ夢とあきらめる前にこの符に祈願するとよいでしょう。白い紙に朱書。
一切抜苦脱難大事成就符(いっさいばっくだつなんだいじじょうじゅふ)
苦しい事態から抜けだし、難事を脱し、心に抱いた大事を成就させてくれる。白紙に朱書。
願事障除速叶御秘符(ねがいごとさわりをのぞきすみやかにかなうごひふ)
心の内に秘めた願い事が障害のために今一歩、そんな状況を一瞬にして突破できる。
大願望成就御秘符(だいがんもうじょうじゅごひふ)
心に誓った大願望、実現はないと思われていた事柄が、障りなく実現します。
東隅青大力鬼王御威蒼符(とうぐうせいだいりききおうごいそうふ)
万福生成、福寿増長、さらに願い事がたちまちに叶い、心を平安にする霊符。青紙に墨書。
中央下隅黄大力鬼王御威黄符(ちゅうおうげぐうこうだいりききおうごいこうふ)
徳を得、誠を尽くし、功をあげ、名を高め、諸願悉く叶う霊符。黄紙に墨書。
北岳洞淵真君外符(ほくがくどうえんしんくんがいふ)
あらゆる望みが叶い、周囲のすべての人から愛され、訴訟にも勝利します。黒い紙に墨で書きます。
招福攘禍符(しょうふくじょうかふ)
福に恵まれ安泰した生活を約束する霊符。災難除けの効果も。神棚などに祀っておきます。
如意安穏符(にょいあんのんふ)
日々平安にして、願うことは常に成るという霊符。穏やかで満ち足りた生活を送ることができます。
如意符(にょいふ)
何事も思いのままになる霊符です。凶事を吉事に変じます。
東岳太祖蒼光真君御真符(とうがくたいそそうこうしんくんごしんふ)
立身出世、長命財福の霊符。願い事が万事叶い、前途洋々の人生が開ける。青紙に朱書。
中岳太祖黄元真君御真符(ちゅうがくたいそこうげんしんくんごしんふ)
出世し、功名をあげ、諸人に敬われ、望み叶い、万事順調という霊符。黄紙に朱書。
立身出世之御秘符(りっしんしゅっせのごひふ)
どのような職業であろうとも、立身出世という大望(たいもう)をすべからく成就させてくれます。
大招官職符(だいしょうかんしょくふ)
職場での昇進や昇給などの願い、あるいは仕事で望んでいることがすべて叶います。白い紙に朱で書きます。
ふぉん・しいほるとの眼
長崎ゆかりの人物といえば、銘菓おたくさの由来ともなったシーボルト先生が有名です。
歴史の教科書では伊能図のコピーを持ち出して国外退去処分となった「シーボルト事件」くらいしか触れられませんが、赴任地で通訳に口述筆記させた情熱的な恋文(ラヴ・レター)が残されていたり、娘は日本最初の産科医・楠本イネとして活躍したりと、なかなか興味深い人物です。
さて、シーボルト先生は文政7年(1824)、長崎市鳴滝において「鳴滝塾」という診療所 兼 私塾を開き、日本人に西洋医術を教えていました。
そこで日本人が驚いたであろう道具に、「木製顕微鏡(ミコラスコーピュン)」があります。
19世紀当時は「単式顕微鏡(レーウェンフック型顕微鏡)」という高倍率で実用的な顕微鏡もありましたが、「木製顕微鏡」は現代の光学顕微鏡と同じくレンズを2つ用いた「複式顕微鏡(鏡筒が垂直なカルペパー型顕微鏡)」であり、倍率は100倍前後でした。
レンズを用いた目鏡(めがね)については16世紀前半には輸入され、18世紀初めには長崎土産として「鼻眼鏡」「遠眼鏡(望遠鏡)」などが挙げられる程、長崎におけるレンズの生産は盛んなものであり、海外に輸出までされていました。
長崎市歴史民俗資料館には、2015年に収蔵されたドイツ・ニュールンベルグ製「顕微鏡」が展示されていて、シーボルトが出島オランダ商館医として来日していた時期のものとされます。
今回、100円ショップの材料を組み合わせて「木製顕微鏡」を再現して、約80倍の世界を覗いてみました。
(左)ドイツ製顕微鏡(長崎市歴史民俗資料館 所蔵, 約80倍)
(右)今回制作した木製顕微鏡(再現)
八重咲コデマリの花も、こんなに大きく!
制作過程と中嶋中良『紅毛雑話』巻三「顕微鏡」の翻刻(一部)をPDFにまとめたので、ご一読いただけると嬉しいです。
鏡筒だけなら600~1,000円もあれば充分完成しますので、幕末の医学生気分で「ふぉん・しいほるとの眼」と同じ世界を覗いてみては如何でしょう?