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羅盤舎にお寄せいただいたご質問に、お答えします。
(尚、コラムの追加説明等も、本コーナーで行います。)

Q-1 羅盤舎陰陽暦の閏月が間違ってませんか?

羅盤舎陰陽暦 ver.1.5.1(2015.01.04註:最新版は羅盤舎陰陽暦 ver.1.6.0を使ってみましたが、「東洋占術に用いる」を選択すると、2014年の閏月が「閏11月」となっています。
市販の旧暦だと「閏9月」だし、冬至は陰暦「11月」となるはずなので、バグではないでしょうか?

投稿内容を基に、再構成しています。

A-1 バグではありませんでした。
「東洋占術に用いる」を選ぶと計算方法が変わるため、市販の旧暦とは閏月の決め方(置閏法)が変わるのです。
朔望月の境目を「朔の瞬間」としていましたが、次回アップデートでは「正子(日本標準時0:00)」に変更します。【2015.06.30追記】

Excel内を再度検証いたしましたが、結論から申しますとバグではありませんでした。

「東洋占術に用いる」に設定した場合、「恒気法(平気法)」という計算方法に切り替わります。
そのため、次のようなことが変更されます。

A. 「定気法」では夏に長く、冬に短かった二十四節気の間隔が、均等になる
B. 置閏法(閏月の決め方)が変更される
 ①冬至から次の冬至までを1年とする。
 ②1年に13朔望月ある場合のみ、「中気」を含まない月は、
   直前の月名の前に「閏」を付けて「閏○月」とする。

ここで、2014年冬至と朔(新月)の時刻に注目します。
朔の時刻を含む日を「朔日」とし、次の朔日までの間を「朔望月」といいます。

冬至:2014年12月22日 7:58
朔 :2014年12月22日 10:36 この朔望月には、冬至(11月中)が含まれない
朔 :2015年 1月20日 22:14
大寒:2015年 1月21日 18:26

冬至の方が、朔より2時間38分早いのですが、共に12月22日に含まれます。
そのため、暦を見た限りでは、この月に冬至が含まれているように見えてしまいます。
しかし、翌年の冬至までの1年には13朔望月あり、B.②(下記資料 2ページ目 2.② 参照)の
条件に従って、中気を含まない12月22日~翌年1月19日までの朔望月を「閏11月」としているのです。

同様に冬至が「閏11月」に含まれる例は他にもあり、寛政6(1794)年冬至は閏11月2日
なっています。
置閏法についての詳しい解説は、以下の資料をご覧ください。
※【2015.06.30追記】経緯を残すために、敢えてリンクを生かしておきます。
Q_A-001.jpgQ_A-001.jpg

クリックするとPDFを表示します。

これまでの計算方法だと、「日の区切り」と「朔望月の区切り」が一致しません。
太陰太陽暦は、計算を厳密にするほど却って気候とのズレが大きくなってしまいます。
2033年問題を見れば、厳密な西洋天文学の採用によって東洋天文暦法としては矛盾が生じる事を実感できるかもしれません。)

また、上記で例示した寛政6(1794)年冬至(1794.12.21 Sun.)というのは、更に詳しく調べると暦日では「十一月廿九日」に当たり、朔の瞬間(1794.12.22 Mon. 18:03)は翌日と判り、「閏十一月冬至」とされる暦日は一切ありませんでした。(暦日検索サイト和暦(わごよみ) 参照)

以上のことから、次回のアップデートからは朔が含まれる日に中気がある場合、時刻の前後に関わらず、朔以降の月に中気が含まれると算出方法を変更してゆきます。


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